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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第4章 思い



「ナツ、これ院長からご指名なんだけど」


ベポから渡されたいくつかの茶封筒。

“トラファルガー先生御机下”

封筒の宛名に書かれたその文字に、ナツの表情は凍り付いた。

追い討ちを書けるように説明されたベポの身に起こった今朝の出来事と、それを証明する書類。

ナツは完全にフリーズした。


辞めると決めたからこそ、あの看護師達にも優しくしてあげられそうだと
全く大丈夫じゃないこの状況の中で
準備が整うまでの数日間をやり過ごそうと思っていたのに。

少し晴れ晴れとした気分になりつつあったのに。




なんてことしてくれやがる!!




「あ、うん。……悪いけど今日はベポが持って行ってくれたりしない?」


ギギギっと錆びついた音でも聞こえてきそうな程不自然に顔を逸らすナツ。


「別にいいけど、理由どうするの?」


ベポとて鬼ではない。出来る事なら手を貸したいが、それなりの理由がないとあの我儘院長は納得しないだろう。


「じゃぁ……他の荷物に紛れ込ませといたら看護師が持って行ってくれないかな?」

「ナツが持って来いって通達が出ているのに?雌豚ちゃん達院長には恐ろしく従順だよ」


頭を抱えるナツ。
意外にも彼女たちはしっかりと訓練されているようだ。

上司の命令には絶対服従。なんて素晴らしい精神だ。







「しょうがないな。取り合えず今日は体調が悪いってことにしとくよ」


どうにか逃げ道はないものかと、ナツが悩み続けること数分。ベポが助け舟を出した。


「あ、ありがとうー!」


泣いて喜ぶナツのそんな様子に、ベポは苦笑いを浮かべた。

今日を乗り切っても明日、明後日と院長宛の荷物は毎日受付に届くだろう。

ナツとの接触の機会を無理矢理作った院長が、何をしようとしているのか。

昨日ナツが連れ去られた後、二人の間に何があったのか。


ベポにとってはナツもローもどちらも大切な友人だ。

今日1日お使いを逃れられただけで大袈裟過ぎる程喜んでいるこの彼女を、泣かせるような事だけはして欲しくないものだと
ベポは内心願っていた。


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