第3章 訪問者

「舐めろ」


息を荒げているナツの前に突き付けられたものは、硬く勃ち上がった雄だった。

到底口に入る大きさではないそれに、ナツは咄嗟に逃げようと身を捩る。
そんな抵抗も虚しく捕らえられた身体は、強引にシーツへと押し付けらた。


「逃がす訳ねぇだろ」


うつ伏せに倒されたナツの唇に這わせられる節くれだった指。

口内に差し込まれたそれは暫く
逃げ惑うナツの舌を捕らえては絡めとり、執拗に追い回すように弄んでいた。

飲み込めずに溢れた唾液がシーツにシミを作るのを見て
満足気に鼻を鳴らしたローは指を引き抜きナツの後頭部を掴み上げる。


「ふぐっ！？」


一気に喉奥まで差し込まれた雄に、ナツは思いきり顔をしかめた。


「期待してねェが、早く解放されてぇなら頑張るんだな」


頭上から聞こえてくるどこか楽しそうな彼の声。

口いっぱいに詰め込まれたその質量に、この野郎と彼を睨みつけるものの
その表情はローの中の支配欲を余計に刺激する以外に効力を示さない。

このままだと苦しくて仕方ない。
一度吐き出し舐めるようにそれに舌を這わせていく。

自由の利かない手と舌を使い必死に奉仕する彼女の姿に目を細めたローは、褒美とばかりにその身体を卑猥な手つきでなぞりあげた。


「…っ…」


悪戯に身体を這う手から伝わる感覚に、嫌でも体が反応してしまう。身を捩りながらも彼のものを咥えこみ必死でそれに舌を這わせた。

大きすぎるそれを全て口に収めることは敵わず、こんな調子ではいつ解放されるのか分かったものではない。

ナツの目の端には、息苦しさと羞恥心が生む涙がうっすらと浮かんでいた。