第3章 訪問者

「下手だな。慣れてねェのか？」


長い口づけから解放され瞳を開けると
相変わらず整った顔に嫌な笑みを浮かべた男がナツを見下ろしている。

その言葉に視線を彷徨わせた彼女の反応に、ローは笑みを浮かべ耳元に唇を寄せた。


「まぁ慣れてようが慣れてまいが関係ねェがな」


耳にかかった吐息に、ゾクリとした感覚が身体中を駆け抜ける。



この男、本気だ……



どこかで逃げられはしないか、どうにか止めて貰えないかと期待していた淡い希望が、音を立てて粉々に砕け散った気がした。

服の中に差し込まれた手の冷たさに身体を震わせると、再び落とされた口づけにくぐもった声が漏れる。


「ンンッ…ふッ…」


もう色々、諦めるしかなかった。

胸の頂を撫でるように掠める指が、ナツを徐々に快感へと落としていく。

何時の間にか取り払われていた上半身の衣服。
口づけから解放されたかと思うと、首元を強く吸い上げられる感覚にびくりと体が反応した。


「いっ……！」


強すぎる刺激に、痛みを訴える悲鳴が口から漏れ出るものの
ローはそれに構わずナツの身体に赤い華を咲かせていく。

痛がるナツを視界の端で確認しながら徐々に下の方へと移動していくその唇。
そこから覗く彼の舌が、小さく震える薄紅色の果実を這うように舐めあげた。


「…ぁっ……んっ」


特別室に響く声色が、悲鳴から甘いものへと変わっていく。

それに気を良くしたのか、執拗に舌で嬲りもう片方の乳房も揉みしだくロー。

優しく撫でたかと思うと、いたぶるように噛みつき
それに素直に応える彼女の反応を楽しむ。

次第に立ち上がっていくそれに口元を吊り上げると、ローはナツの背に手を回しその身体を抱き起こした。