Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第1章 出会い
「私が言うのもなんだけど、よくここで働き続けられますね」
結構古株らしいベポ。
院長に興味のない者同士、ここで働くのが苦痛なのはよく分かる。
だからこそ
そうまでして働き続けることが不思議で仕方ない。
「んー、ここの院長とは古い友達なんだよね。病院は綺麗な人が多いって聞いたから求人の話に乗ったんだけど。よく考えたら綺麗な熊じゃなくて人じゃんって気づいてさ」
「え、よく考えなくても分かるんじゃね?100歩譲って動物病院ならまだしも!」
アホじゃね?と思い咄嗟に突っ込んでしまった。
オアシスのお陰でボケを拾う精神力は徐々に回復してきているらしい。
「阿保な熊ですいません。…まぁでも、ナツも色々噂とか聞いてると思うけど。友達のことが心配で結局辞めれなくてさ」
「なにそれ、めっちゃいい奴だな。そして妙に打たれ弱い」
会話の合間で謝る癖があるみたいだが、ベポは何だかんだで友達思いの良い熊みたいだ。
それにしても。
口に出したつもりはないものの、アホじゃね?と思ってしまったことはベポに伝わったんだろうか。
メンタル激弱メンタリストな院長の友達で、熊。
ステータスが派手すぎる。
因みにベポが院長の友人だというのは他の看護師には隠しているらしい。
確かにバレれば色々面倒なことになると思う。
ナツのことは仲間と思って秘密を話してくれたのだろう。
今まで破天荒な友達に弄ばれては捨てられていく発狂寸前の女達に囲まれながら
戦犯の友人だという命の危機をも覚える秘密を、一人抱えながら仕事をしてきたであろうベポ。
どこか遠い目をして話してくれるその様子に
今までの気苦労が垣間見えた気がした。
そして日に日にナツの中で院長のヤバイ人間度合いが物凄い勢いで格上げされていく。
「ナツも色々気を付けてね。院長だけじゃなく、ここに雇われている人も何かと癖が強い人が多いから」
「ハハハ、そうですね」
ベポの言葉に乾いた笑みを浮かべつつ、やっぱり辞めたいと内心思った。