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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第3章 訪問者


「居座るならお見舞い下さい。お見舞い」


我ながら図々しいとは思う。
だがこれで呆れて彼が帰ってくれるなら、結果オーライ。それでよかった。


「何欲しい?」


しかし意外にもペンギンは、ナツの言葉に気を悪くした様子はない。

何かあったっけなーとポケットを探る彼。

ナツはまさかの棚ぼたお見舞い品フラグに、少しだけ期待をしてしまった。


「ナツ好きな果物は?」

「んー。りんご?」


果物系のお菓子でもくれるんだろうか。

わくわくする気持ちが抑えきれずにペンギンを見上げると、なんだか凄く凝視されていた。

なに?
りんごが好き、はNGワード?

普段のおちゃらけた雰囲気とは違う、真面目な雰囲気を纏うペンギンに
ナツは居心地の悪さを感じていた。


「……俺も。りんご好き」

「まじでくれるのか、ありがとう」


どこにそんなに隠し持っていたのかと思うほどのりんご味の飴。
ペンギンの大きな手に握られていたそれは、ナツの両手の中で小さな山を作った。

まさか本当にくれるとは思わなかった。
言ってみるもんだな。

ナツはその内の1つをさっそく口に放り込むと、甘酸っぱさが口いっぱいに広がった。

思いがけないおやつに悦に浸っていると、いつの間にかいつもの調子に戻っていたペンギンが
ニヤニヤしながら口を開いた。


「警戒心ないのね。それ、怪しげな大人の飴だって言ったらどうすんの」


ゴフッ

キャラ的に有り得すぎるその発言内容は危うく
動揺したナツの気管に飴玉をシンデレラフィットさせる所だった。

むせ込むナツを見て可笑しそうに笑う彼。


「いやー、流石リアクション芸人」


出○じゃねぇよ!

まだ収まらないむせこみを堪え、涙目になりながらも
心の中の最大ボリュームで
突っ込みを入れることは忘れなかった。

結局普通の飴らしいことを白状したペンギンを睨み付けながら、腹いせにガリガリと飴を噛み砕いてやる。

本当にいい性格してるよ。全く。


「エッチな気分になれる飴、欲しいならあげるけど」

「全力でお断りします」


なんだか院長とは違った意味で、ペンギンには振り回されてばかりな気がする。

だからもう本当に






いい加減帰れよ。



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