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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第2章 急展開



「ただいまー」


看護師達から連行されて1時間程経った頃、ナツが受付に戻ってきた。


「おかえりー…ってまた脱走してきたの?」


既に夕方かと思うくらい疲れた顔をしているナツは、乾いた笑いを浮かべながらカウンターの中に入ってきた。


「あんな状況じゃ寧ろ傷が悪化する」

「悪化させるのは看護師?それとも院長?」

「両方です」


ご愁傷さま。

流石に病院というこの場では冗談でもその言葉を口にする訳にはいかない。
即答したナツの顔は、それはもうげっそりしていた。

看護師達の暴走も中々酷いものだ。
でもナツはそれに慣れてる。
鬱陶しいだろうけど、彼女をここまで疲れさせている原因は、あの煩い雌豚集団だけではないんだろう。

長い付き合いではあるけど、院長は正直何を考えているか分からない。
基本的に悪いヤツじゃないし、友人として彼のことは好きだ。

隣で外来患者の診察券と保険証を受け取り、該当の科の診察室の場所を笑顔で案内するナツの姿を横目で覗く。

院長の周りに、ナツのような人種は今までいなかった。

ちょいちょい奇行が目立つし、おかしな発言も多い。
黙って大人しくしていれば、清楚な可愛い女の子なのに……
人は内面が大事って、本当だなと思う。

まぁでも何だかんだで自分は、ナツのことを凄く気に入ってる。

今まで院長の周りに溢れ返っていた女とは、明らかに毛色の違う彼女。
そんな彼女を、彼はどうするつもりなんだろう。

普段は玄関ホールになんて降りて来るような人じゃない。
それだけナツに、何らかの執着心を抱いているのは事実だろう。
興味本位とかじゃなきゃ良いな。

目を光らせてはいても、看護師達はその隙間を縫ってナツにちょっかいを出してくる。
これ以上戦友の心を疲弊させることなど、ないに越したことはない。


そうは思っていても、面倒事はこっちの都合などお構い無しにやってくるようだ。


「ナツさん、ちょっといいかしら?」


患者が途切れたところを見計らってナツに話しかけてくる彼女。

彼女こそ、看護師界のトップに君臨する看護師長エミリアである。
ナツも顔と名前くらいは知っているんだろう。エミリアの顔を見るなりピシッと固まっていた。


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