Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第2章 急展開
前言撤回。やっぱりこの人、噂通りのお人柄だ。
ナツは少しでも彼を見直しかけたさっきまでの自分をぶん殴りたい衝動に襲われた。
いったいどこをどういう風に考えればその答えに辿り着くのだろう。
彼の頭の中の世界では、世の中の女性は全て自分に抱かれれば幸せになるということになっているらしい。
真上から見下ろしてくる院長の
白衣の下のネクタイを緩めるその動作にとんでもない色気を感じる。
薄く開かれた瞳に宿る、どこか強い意志を感じさせるその瞳に
不覚にもドクリと心臓が跳ねた。
その目に宿る意志がろくでもない事なのはどうかと思うが。
ナツはローを押し返そうと両脇に付いた彼の腕に力を込めるが、当然のごとくそれはビクともしない。
慣れた手つきで制服のベストのボタンを外していく院長は、流石は夜の帝王である。
「いや、すいません。そんな願望はないです。ほんと大丈夫なので……」
何が大丈夫なのかは私にも分からない。
でもこの急展開をどうにか回避するには、その言葉しか出てこなかった。
確かに院長は格好良いと思う。
でもそれとこれとは話が別だ。
これでも結構動揺している。
「遠慮してんのか?」
「いやまったく」
「じゃぁ大人しくしてろ」
「え、そういう流れになるんですか?じゃぁ遠慮してます」
「だから遠慮するなと言っている」
この人なんだか話が通用しない。
そうしている間にも院長の手は止まることはなく、スカートにしまっていたブラウスは引っ張り出され
そのボタンも半分以上が外されてしまっている。
これはまずい。
脱がす動作がスムーズ過ぎる。
「あの、本当に結構です。ちょっ……!」
完全にはだけてしまったブラウスの中に着ていたキャミソール。
それを捲し上げた院長の指が、脇腹をすっとなぞり上げた。
ただそれだけの筈なのに、ぞくりとした感覚が背筋を走る。
そんなナツの反応を満足そうに見下ろす彼の手が、下着と地肌の境目を勿体ぶった手つきで這い回った。
いや、本当に待て。
遠慮するって言ったよな、私。
というかこれはどういう状況だ?
イケメンを(危険な目に合わせておいて)助けたら、そのお礼にと抱かれそうになっている。
なにそれどんなエロ漫画?
読者としては読んでみたい気もするが、生憎当事者になるのは御免だ。