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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第11章 番外編



ナツがその手の場所を好んでいるのは既に知っている。
今までは自分が行きたがらないのを分かって諦めていたようだが、行けるのもなら行きたいのだろう。


耳に優しい提案と、珍しい程素直な愛情表現。
しかしローの心の中は恐怖のダサTシャツペアルックを免れようと必死だった。


そんな事とは露知らず、ローの思惑通りナツの意識はTシャツから逸れていく。


あのTシャツを着て外を出歩くくらいなら、祭りに参加するほうがマシだ。


そもそもナツのペアルック申請などスルーすればいいものの…
何だかんだで今回の件はやり過ぎたと反省してる節がこの男にはあった。


「お祭!!やっぱりクレープにタコ焼き、かき氷に綿菓子に…あ!広島風お好み焼きでしょ、あとやきそばに、牛串!!…フランクフルトと焼き鳥も食べたい!!」

「………せめてどれか1つにしろ」


その思考がどこかに飛んでいる事が明らかなナツの表情。

炭水化物まみれ。
塩分も動物性の飽和脂肪酸の多い油脂を多く含むそれら。

却下を口にしようとしたローは、何とかそれを飲み込んだ。


少しでも油断すれば食に走ろうとするナツ。
Tシャツの件といい、ローの気苦労は絶えなかった。


「えー!?折角の祭りなのに1つだけなんて……あっ、じゃぁ射撃で勝負して買ったらもう少し食べていい?」


そう提案するナツの表情は、本当に楽しそうだった。

さり気なくあのローを祭のイベントに巻き込もうとする彼女のその空気の読めなさは天武の才能。
しかし彼女だからこそ、ナツだからこそ偶にはそれに付き合うのも悪くないと思うこの男の愛の深さも中々のもの。


ローは意気揚々と銃を構えるポーズを取るナツへと視線を送る。


すると、あることに気づいた。


目の前には、ガチで銃を構える仕草のナツ。


そういえば忘れていたが、彼女は離れた場所からドフラミンゴの持つ銃をピンポイントで狙い撃つ敏腕スナイパー。


仕方ねぇ、付き合うか。
そう思ったローの思い描く図はナツに射撃のやり方を教える、そんなやりとり。


だが彼女は、何時もローの思惑の斜め上を行く。


そんな彼女に、ローは思わず苦笑を漏らした。


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