Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
己の中で自問自答を繰り返し
結果としてローは再度謝罪の言葉を口にした。
そんなローにナツは思わず瞬きを繰り返す。
予想よりも早く引いた彼を、意外に思っているのだろうか。
謝罪の言葉を述べたにも関わらず、その表情はなんというか…
絶対にナツを表す名詞に失礼な形容詞を付けている。
しかし彼女はそんな事には気付かない。
「…あ、うん。…私も、ごめん」
歩み寄ってくれたその言葉に、ナツは先ほどまでの憤りを忘れそう口にした。
ここに来て漸く2人の誤解は解け、温泉旅行を楽しむ恋人に戻る。
「…しかし今回はいつにも増して随分と好き勝手されたからなぁ。私も何かしたいなぁ」
折角穏やかな空気になってきたというのに
ナツの空気の読めなさは良い場面以外でもいかんなく発揮される。
ただなんとなくそう思っただけ。
そんな彼女の言葉に、ローの口元が僅かに引きつった。
嫌な予感を感じ、嫉妬に狂う程愛して止まない恋人の視線の先を辿れば
そこには、恐怖のあのTシャツ。
彼女が言わんとしてることを理解したローは思わず、彼女の腕を掴み引き寄せた。
「…?…っふ…!」
突然の口づけ。
甘やかされるような、快楽を誘うそれに驚いたナツは恋人の胸を押し返す。
しかしいくら優しいものだろうと、それが止むことはない。
甘ったるい刺激に酔いしれながらも、結局気が済むまで付き合うこととなる。
「…来週、〇〇で祭りがあるんだが…行くか?」
やっと離れた唇から紡がれる言葉。
惚けた表情を浮かべるその頬を撫でながら、らしくもない提案を投げ掛けるロー。
いつも以上に甘いその空気に、触れられた頬に朱が差した。
そんなナツの様子に、ローは笑みを深める。