Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
昔から、大人しく守られる事のなかったナツ。
生まれ変わって尚、それは変わらないのだろう。
折角悪魔の実の能力のない世界に生まれたのに、彼女は勝手に戦う術を身に付けていた。
そんな彼女の行動力には、最早呆れを通り越して関心する。
「…あんまり本気でやるなよ?店の奴が泣くぞ」
「え?もしかしてロー、自信ないの?」
「…そう見えるか?」
「だよね!そうこなくっちゃ!」
ナツの挑発に不敵な笑みを浮かべるロー。
絡まった視線にどちらからともなく笑みが零れた。
何だかんだでナツのペースに乗せられる。
気が付けば、その下らない遊びは全力投球の勝負に。
きっと二人の勝負が決する頃には、店の景品は跡形もなくなくなっているだろう。
「あぁーでも屋台の銃には照門と照星がなさそう。…あれ、そうなるとどうやって的を狙うんだ?」
「…普通に狙えばいいだろ。どこまで本気でやる気だ」
指で輪っかを作り、その中を覗き込む仕種が堪らなく愛しい。
全く持ってどこまで本気でやるつもりなのかと呆れて言葉すら出ない。
そんなところも全部ひっくるめて、好きになった。
本気でどうしようかと考え込みだすナツに、的を狙う別の方法を教えてやる。
そんな彼の表情は、穏やかなものだった。
END
→あとがき