Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
「……おまえ、馬鹿だろ?」
ナツの口から紡がれる幼少期もアホであった事を如実に物語るそれ。
一通り説明を聞いたローの第一声はそれだった。
「…うん、そこは否定しないが…ちゃんと怒ってる理由教えてくれたら良かったのに!」
“馬鹿”
それはナツの心に少なからずダメージを与えた。
医者で頭の回転も早いこの恋人に頭脳で勝てる等思ったことはない。
しかし彼女も、それなりの仕打ちを受けた。
恋人の誤解を解こうと彼女なりに必死だった。
その結果が“馬鹿”。
割に合わない気がしてならないナツは負けじと言い返す。
頭が回るのならば、そこはおまえがフォローしろとでも言うように。
確かにローは口数が多い方ではない。
そして分かりにくいものの、何時もなんだかんだでフォローしてくれてるのも知っている。
今回に限って何の嫌がらせだよと、ナツは憤慨していた。
「…………はぁ」
私も悪いけどローの方が悪い!
ナツの言わんとする言葉を理解したローは、色々と言いたい胸の内を飲み込んでため息を吐いた。
確かに俺も悪かった。
だが何で全面的に被害者ぶってるんだ。
そもそもの事の発端は彼女なわけであって……いや、もう止めておこう。
燻る不満を抱えながらも、このやり場のない気持ちを彼女にぶつけたところでどうしようもないことを、彼はわかっていた。
…非常に不服だがナツの性格を、思考回路を
理解した上で、もっと気を使うべき…だったんだろう…
ローは額に手を当て、痛む頭を抑えた。