第11章 番外編

「……おまえ、初めてセックスしたのは何時だ」

「…は！？」


ローの言葉を待つこと数秒、口を開いたかと思えば何を言い出すんだこの人は。


考えるのが面倒になり、回りくどい問いかけを捨てたロー。
案の序、ナツが目に見えて動揺した。

そして一体何がどうなってそんな質問に辿り着いたのかと思考を巡らせた結果行き着いた、ある可能性。


「まさか元カレとしたことあると思ってたの？言っておくが私の初めては…ろ…ローなんですが」


何とも恥ずかしい質問にごもごもと口どもるナツ。
しかしそんな彼女の答えを信用しきれてないのか、ローの不機嫌オーラは変わらない。


「ラブホ。行ったことあったんだろ」

「……あっ」


ローからの質問を、そこに込められた意味をナツはここに来てやっとゆっくりと消化していく。
漸く、今まで噛み合わなかった話の原因を理解した。


「…確かに行ったことあるよ。…エースと」

「あ゛ぁ？」

「ちょ、何で怒る！？兄弟なんですが！」

「兄弟だろうが何だろうが関係ねェだろ」

「いやいや誤解だから！だいだいあれは…！」


ナツはこのままでは埒が明かないと思い、話したくなかったが過去の黒歴史を話すことにした。

いたたまれな気持ちに押しつぶされながら、当時の話をできるだけ分かりやすく説明する。









そして数分後。



ローの表情が、何とも言えないものに変化していった。