Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
「……?……っ!?」
何か音がした。
そして身体になにかがポタリ落ちる感覚。
一度きりではなく、それは僅かな間隔を経てまた身体に落とされる。
痛み
何も見えないせいで身体を襲う物の正体が掴めない。
いや…痛いっていうか…
「あづっ!!…ちょっ…!なにこれ!?」
熱い。
痛みではなく、熱。
落とされるそれから逃れようと身を捩るものの、手足をベッドにくくり付ける鎖がそれを許さない。
我慢できない熱さではない。
ないけど…普通に熱い!
なにこれ!火傷する!
「…さァ、なんだろうな」
恐々としている恋人からの問いかけに、しれっとしらを切るロー。
気づかねぇモンなのか。
それにしても…
「…っ…ぁ…!」
脇腹辺りに落とされていたそれが、徐々に位置を変えていく。
次第に上へと登っていくそれは、晒された豊かな乳房を汚した。
胸に受ける熱刺激に、ナツは息を呑みゾクリとその身体を震わせる。
無意識のその反応が、ローの嗜虐心を焚きつけた。
「おまえは本当にバカだな。バカ過ぎて呆れる」
ロウソクを垂らす手はそのままに、ベットへと腰を降ろすロー。
白い身体に栄える赤い蝋と、黒い下着。
炎から離れる事で固まったその赤い跡をなぞれば、ビクリと震えた身体からは声が上がる。
「前は誰とも付き合ってねぇと言ってたよな。ノーカウント?数え方聞いた訳じゃねェよ」
一瞬で空気が凍り付くほど、ゾッとする声。
掴み上げられた頬に感じる力は普段ナツに向けられる物よりも強いものだった。
「いやだって…!!本…ンんっ!」
再び誤解だと伝えようとした唇は、噛み付くように塞がれる。
優しさの欠片もない自分本意な口付け。
口内を犯そうとしているような、乱暴な舌使い。
自分のことを棚に上げやがって…!
息も絶え絶えにそれを受け止めるナツは、胸中で悪態づいていた。
口の中をまさぐるそれとは別に
相変わらず定期的に体に落とされる熱。
もうこれは分かった。
ロウソクだ、これ。
…どんだけ垂らすんだよ…全く。
体を纏う個体化した蝋は
只でさえ拘束され視覚を奪われているこの状況をより強調して感じさせた。