Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
これはもう…無理か?
すがるようにローに弁解の余地を求めていたナツが言葉を詰まらせる。
どんなに謝罪の言葉を述べても
勘違いだと伝えても
なぜ怒っているのかを聞こうとも
一向に回復する気配のないローの機嫌。
服まで破り捨てたくらいだ。
これはもう、スイッチオン。
手がつけられない。
無駄だと悟ったナツは、自然と大人しくもなる。
今までの経験上、これはもうローの気が済むまで付き合うしかないのだ。
微々たる体力でも、温存しておくに越したことはない。
自分の普段の行いが彼女をそうさせているというのに
大人しくなったナツにローは表情を曇らせた。
もう言い訳はしねぇ、と。
…そういうことか。
許すつもりも
聞き入れるつもりもない癖に
弁解する姿勢を求めるこの男の性格には難がありすぎる。
頑なすぎるその性格が、恋人の口を閉ざさせた可能性を
この時ローはひと欠片も考えていなかった。
信じたい気持ちも存在する
ノーカウント、そう言うだけの何か事情があるのではと。
しかし目的がセックスでしかないこの場所の利用方法を知っていたナツに
疑いが晴れない気持ちは深くローの心に巣食っていた。
目を覆ってしまったせいで
いまナツがどんな顔をしているのかは見えない。
ナツからも、ローのこの傷付いたような
動揺に揺れた表情が見える訳もない。
……これは仕置きが必要か
視界の端に映りこんだ赤いロウソク。
こんなもの、今まで使ったことも、使おうと思ったこともない。
融点が低く設定されているであろうこれ。
火傷はしないだろう。
しかし熱い筈。
こんなモンでも…
身の危険を感じれば正直に全てを話すだろうか。
聞きてぇのか?
隠された真実を。
面白いとはとても思えない現実を。
嘘を付かれるよりまだマシか…。
全て吐かせて、この体に教え込めば良い。
他の男に体を許せば、どうなるかを。
この体が、誰のモノかを。
歪みすぎた愛情。
愛するが故の独占欲。
嗜虐な笑みを浮かべたローが、ロウソクに火をつけた。