Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
その後
二人は会話も殆どないまま、旅館へ戻る道を車が走る。
特に問い詰めて来る事のないロー。
こてんぱに説教を食らうのも嫌だ。
しかしこれはこれで弁解の機会がない。
窓の外を流れる景色を茫然と見ながら、この息苦しい程重い空気をどうしようかと頭を悩ませていた。
折角の旅行なのにこれは非常事態だ。
機嫌が悪いのはそれはもう、言われずとも分かった。
問題は、珍しく彼が沈黙を貫いていること。
何時も喧嘩をすれば、その博識っぷりで私をボッコボコに言い負かしては論破!とでも言いたげな程勝ち誇った顔をするのに…
これは一体どういうことだ?
取り敢えず。
誤解を解こう。
このままじゃらちが明かない。
先ほどの事の経緯を弁解しようと、ナツは口を開いた。
「…のわっ!?」
だがそれも、突然の急ブレーキに遮られる。
「な、なに!?」
「事故か…っぶねぇな…」
進行方向に視線を向ければ、見通しの悪いカーブの先で見事に道を塞ぐようにのめり込み合う二台の車。
山の中にあるこの道は、旅館へと行ける唯一の道だ。
ここから遠回りして向かうとなると、数時間は余計に時間が掛かる。
隣から聞こえてきた舌打ちに、彼の怒りのボルテージが更に一段上がったことが伺い知れた。
どこからともなく現れた交通整理のおっさん。
そのおっさん曰く、3時間ほどでこの道は通れるようになるらしい。
「別ルートで戻るよりは、…待ってた方がまだマシか」
「…あれ、どこ行くの?」
言葉とは裏腹に車はUターンして動き出す。
車内で待つよりどこかで休むと言い出すロー。
どうやらここに来るまでに、休めそうな場所を見かけたらしい。
そんなとこ、あったか…?
ナツはローの提案に、特に疑問を持つことなく賛成した。
あれだけ考え事してれば見逃しちゃったんだろ、きっと。