第11章 番外編

「あれ、…えっ！？ナツ！？ナツじゃん！うわー、何してんの？」

「…っげ」


ナツが店の外にあるベンチに座ってローを待っていると、予想外の男と再会した。

目の前にいる茶髪は、ナツが学生の頃付き合ったことのある男。

向こうから告白され、別に断る理由もないしと特に何も考えずに付き合ったら

１か月後になぜか突然フラれた。


付き合って２週間後。

記念すべき初デートで、ナツの服装はもちろん通常運転。

その後は、言わずもがな…
お察しの通りだ。


「げって酷くね？…っておまえ、だいぶ変わったな」


ナツの服装に気づいたのか、興味深げに目線を寄こす元カレ。


それもそうだろう。
コンビニにジャージで行くような奴が、今や朝の女子アナと見紛うほどの出で立ち。


素材は良いのだ。
纏う服装さえまともであれば、ナツは通りすがり男が思わず振り返る程の美貌の持ち主。


あ

あと口も開かない方が良い。
会話は禁止だ。

食事も別々にとることをお勧めする。



「そうだねー色んな意味で生まれ変わったかもねー」


気のない返事。

棒読み。
目は勿論合わせない。

ナツの心は早くこの男が立ち去ってくれる事を切に願っていた。


この場にローが戻ってきたら面倒なことになる。
危険だ。