Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
「ねぇ…まだやるの?これ」
「サイズ感が気に食わねぇ」
「もう少し体のラインが映えるものの方が良いかもしれませんね」
無視。
ナツの発言は総無視だ。
「あのー…」
「他に色はねぇのか」
「ございます!ネイビーとオフホワイトが!」
この人の買い物の仕方はちょっと普通じゃない。
店員を下僕のように扱いながら、必要な物を持ってこさせる。
結果店側も大量の売上が手に入るならばこの関係性はイーブン。
服ならもう沢山あるのに…
お洒落な雰囲気の漂う店内の空間が、ナツはどうしても苦手だった。
どうも場違いな気がして落ち着かない。
アウトレットとは言え、この店はローと出会うまで足を踏み入れようとすら思わなかった程の高級店。
いくら安くなっていようと値札に印字されたその0の数は一般庶民が気軽に手を伸ばせる物じゃない。
置いてきぼりにされてる感が否めないまま、もう購入が決まった服を横目にため息をつく。
昨日お揃いで着るTシャツを選んでた時、なんか楽しかった。
どんなのが似合うかなって、Tシャツを着たローの姿を思い描きながらそれを選ぶあの気分。
ローも、私に試着させるかを吟味してるこの時間
私が着てる姿を思い描きながら選んでくれてるんだろうな。
なんか、嬉しい。
この着せ替え人形状態はちょっとどうにかして欲しいものがあるけど。
「こっちも着てみろ」
「お手伝い致します!」
既にぐったりとしているナツの背中のファスナーを下ろす店員に、自分で出来ると断りを入れようにも彼女達の必死な形相に怯んでそれを諦めた。
私も早くローにあのTシャツ着て貰いたいな。
悪趣味な服を捨てる目的の為、まともな服を増やそうとするロー。
しかしその思いはアホ過ぎる彼女には良すぎる解釈で伝わった。
愛しい彼女に自分好みの服装をさせたい
どうにか頑張ればそう言えなくもないのだが、ローは決してそんな色めきだった思考でそれを選んではいなかった。