第11章 番外編

その後も
ナツのおかわりラッシュは続いた。






「おまえの胃袋は一体どうなってるんだ」

「お腹いっぱい…もう食べれない…」


頼むからもう一生食うな。

この小さい体のどこにあれだけの量が入るのだろう。


よろよろ少し後ろを着いて来るナツに心の底からドン引いた視線を投げ掛けつつ
ローは明日から再び始まるナツ長寿計画を練り直した。










まだ旅館に戻るには早い時間。
腹ごなしに少しナツを歩かせた方が良い。

今車に乗せたらこいつはすぐ寝る。
即刻寝る。
秒で寝る。


「…ちょうどいい。服でも買ってくか」


宛もなく広大な敷地内を歩いていると、ローがふとそんな事を口にした。


キング・オブ・金持ちなローはこれまでアウトレットを訪れた事がなかった。

見切り品
訳あり商品

そんなイメージの付きまとう商業施設の名称。

しかし実際の所品揃えは結構良い。
学会の後の懇親会やパーティーで着せる服は他で買うとしても、普段着て歩く程度のものならここで差し支えない。

昨日手に入れたＴシャツを打ち消すかのように、まともな服を増やさなければ。


謎の使命感に駆られたローに試着室に放り込まれたナツは、ただ渡された服の袖に手を通しては脱ぐ、通しては脱ぐを延々と繰り返させられた。