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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第11章 番外編



好きな物は後に取っておく主義。


食欲に貪欲なナツを眺めながら、自身の席に腰を降ろすローの視界に止まったお品書きの文字。


“だだ茶豆~山形県産~”


枝豆一つでそんなに喜ぶなら、今度取り寄せてやろう。
枝豆は高たんぱく。

おやつを寄越せと騒いだ時にこれを与えてナツが大人しくなるならば
それは喜ばしい事だ。


きっと存在すら忘れられている。
目の前の食事を口に運んでは一々とろんと目尻を下げる恋人を、珍獣観察でもする要領で眺めながら青菜の浸しに手を伸ばした。


幼き頃から慣らされたその舌だからこそ分かる、化学調味料ではない出汁の味と
素材の旨味を一番引き出す茹で具合。


ここの料理人中々やるなと思いつつ、品数豊富なそれのどれから味わおうかと悩んでいると


「うんまっ!!何これ!超美味しい…!!」


丁度青菜に手を伸ばしたナツが、しゃきしゃきと音を立てながらそれを咀嚼していた。


コンビニのスイーツでも尋常じゃない程喜ぶ女。
最近のそれは些かハイレベルな物が多い事を差し置いても
野生の感覚なのかナツが良いリアクションを示す食べ物は上質なものが多い。


鮎の塩焼きの脇に色を添える緑のそれ。
身をほぐしそれを纏わせて口に運べば、独特の風味が駆け抜ける。


「おまえこれ、付けて食ってみろ。…きっと気に入る」
「え?このソース的なもの?…なにこれ!…旨っ!!」


蓼酢を気に入るとはやはり、中々の通だ。


癖の強いこれを夕食という食事の腕の見せ所に盛り込んで来た旅館の料理長の度胸とセンスには目を見張る。


少しはそのセンスがナツの服装にも影響すれば良いのに…



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