Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
次の日。
二人は観光スポットとして有名な青の洞窟に来ていた。
入り江から小舟に乗って暫くすると、辿り着いたのはその由来通り青い光に包まれた洞窟。
その幻想的な景色に、目を輝かせるナツはすっかり体調を回復していた。
昨夜。
ナツが目を覚ますと既に整えられていた夕食の席。
「…め、飯…」
のぼせの影響か、食事の時間だと揺り起こされたナツはふらつき支えられながらも和室の襖を開けた。
自主的に這いつくばってテーブルに向かうナツの姿に、どんだけだと突っ込まずには居られないローがその後ろ姿を呆れたように目で追う。
火を灯したで、まだ加熱による変色が至らないピンク色の差しが入った牛肉。
鮮度命な小柄な白海老の刺身。
器に盛られたそれとは別に、この食事のハイグレード具合を示す、刺し盛り。
小さな小鉢が所狭しと並んだその食卓にナツの頬は弛みに弛んだ。
「頂きます!」
パチリと合わせた手のひらは、早々に箸を掴み意中の食材を捉える。
ナツは生湯葉のとろけるような甘味にこれ以上ない恍惚の表情を浮かべながらも
熱い内にと三切れ並んだ肉厚のミディアムレアなステーキへと箸を伸ばした。
完全に、アウトオブ眼中。
ナツの頭の中では今やローは忘れ去られた存在だろう。
「何これ!枝豆と油断したがくっそ旨い!!…これはもっと終盤だ。」