Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
宿泊先の旅館は予想通り、いやそれ以上に高級感溢れる豪華な造り。
部屋へ案内されるまでの道中もナツはローに大人しくしていろと叱られながらもはやる心が抑えきれずきょろきょろそわそわと落ち着きがなかった。
そうこうして辿り着いた部屋。
案内してくれた女将がお茶を淹れてくれながら食事の時間についてや旅館内の売店やら非常口なんかを説明してくれてて
でもそれどころじゃない。
部屋が!
凄すぎる!!
なんだここは!
部屋の窓からは、緑豊かな山々と、涼しい音と共に流れる小川。
反対側の窓からはさっき通りすがった湯畑が見える。
真上から眺めるその様子は絶景だ。
室内も和風と洋風が合わさったモダンテイストとか言えそうな造りで、よく分からんがセンスが良い。
これはテンションが上がる!!
「…いつまではしゃぎ回ってんだ。少しは落ち着け」
まるで城のような洗面室の大きな鏡と種類豊富なアメニティに目を輝かせていると、呆れ顔のローが扉に寄りかかりながらこっちを眺めていた。
いつの間にか女将は下がってしまったようで、当たり前だがこの部屋にはナツとローの二人きり。
「凄いね!こんなとこ泊まれるなんて夢みたい!」
「そんなに気に入ったならまたいつでも連れて来てやる」
仕方なさそうにそう言うローの優しさが嬉しい。
お姫様扱いして欲しいとか、ローに求めるのはそういうのじゃない。
でもナツも年頃の女の子だ。
されて嬉しくない訳はない。
しかも相手はあのローだ。
唯我独尊。
どこまでも我が道を突き進むローが、自分の為に何かをしてくれようと考えてくれる事が何よりも嬉しい。
「淹れて貰った茶が冷める。茶菓子もあったな」
「食べて良いの!?」
ほら行くぞと手を引かれて連れて行かれた和室に足を踏み入れると、井草と緑茶の香りが鼻先を擽った。