Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
「…おまえああいうの好きだろ。見に行かねェのか?」
「ガラス工房?…確かにキラキラしてて気になるが」
気を逸らせようと提案したそれ。
視線を一瞬そちらに向けたナツは行きたいかも!と目を輝かせながらも
手に持った2枚のTシャツを手放す気配がない。
しかもよくよく見れば、その2枚は同じ絵柄でサイズ違い。
待て。
こいつまさか…
「…念の為確認だ。それはおれの分じゃねェよな?」
確認するまでもなく嫌な予感は当たってそうだが、聞かずにはいられなかった。
「ん?ローいつもシンプルな服ばっかりだから。それにいつも服選んで貰って嬉しいからさ。私もたまには選んであげたいなって…」
ふふふと頬を緩めるナツのその様子は可愛らしい。
言ってることも可愛らしい。
問題なのは手に持っているそれだ。
悪趣味なファッションセンスを何とか矯正しようと外出の度に服を選んで着せていた事が
まさかこんな所で裏目に出るとは。
ついに魔のTシャツの呪いが己にまで及ぼうとしている。
「ね?お揃い!!可愛いでしょ?」
そう言って目の前にTシャツを広げるナツ。
そっちにしたのか…
その湯もみマスコットプリント…
自覚がないと言うのは恐ろしい。
ナツは何も悪気があってこうしている訳じゃない。
壊滅的なセンスのそのTシャツをおれに着せる事に、問題など何一つないと心から思っている。
寧ろ良いことしたな、的な認識で居そうな程だ。
…しかもお揃いか
これはナツは同じ日に同じTシャツを着て出かけるという
世にいうペアルック的な物をしようとしているんだろうか。
ローは激しい頭痛を訴える米神を抑えながら、レジへ駆けていくナツの後ろ姿を見送った。