Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
ローが興味を示すものはないものかとその顔色を伺いつつ店内を物色すること数分。
食べ物以外でナツの心を踊らせる物が、その視界に入った。
「…これ以上変なTシャツを増やすな」
引き寄せられるように温泉街限定Tシャツ売り場に足を進めるナツに先手を打ってローが釘をさす。
今日のナツの服装は、ローが見繕った物なので変ではない。
口を開かなければナツの人間性など垣間見えようもない程、見目麗しい年頃の女性。
折角まともな恰好をさせてるのに、バレないようにナツのこのセンスを疑う私服達を少しずつ処分しているというのに
ここで変なTシャツを追加されて堪るか…!
ローもローで必死だった。
「え?ねぇどっちが良いかな。…こっちも可愛いい!」
変なTシャツと称されたのが自分の手に握られた物だという認識がナツにはないらしい。
背面に温泉街がプリントされた物、湯もみするマスコットキャラクターらしき女が愛想良く笑ってる物…
揃いも揃って表面の左胸の辺りに、温泉マークと達筆な“草津”の文字。
可愛い…か?
本気なのかこいつは。
流石過ぎるセンスに唖然としながら、楽しそうにそれを物色するナツをただ眺めていた。