Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
「…おい、連れてく訳ねェだろ。糖分禁止だと何度言えば分かる」
涎を垂らしつつ目の前のケーキの写真を食い入るように見つめるナツに、間髪入れずに水を差してくる彼氏と言う名の栄養管理士。
…あぁ、そうだ忘れてた。
今までローの目を盗んではおやつを摂取すること数十回。
なぜか毎回見つかる。
そして散々な目にあって来た。
せっかくの旅行気分が一気に現実に引き戻され、ナツはガックリと肩を落とす。
最初は何かの冗談だと思っていた。
が、あれから半年経っても彼は大真面目にナツの健康を管理し続けている。
飽きもせずに。
それも日に日にエスカレートしていく。
もしかして今回の温泉を即刻許可したのも、温泉が身体に良いから、とかそういうんじゃないだろうな。
ローが温泉好きとも思えない。
かといって恋人との旅行を楽しむガラでもなさそうだ。
となると、あながち間違ってなさそうなその可能性に、ナツは軽く顔を引きつらせる。
どうしよう、温泉でのんびりしつつ色んなとこ行きたかったのに。
湯治だ!とか言い出して秒刻みで温泉に浸かる時間を管理されては水風呂とかに無理矢理沈められたら…
有り得る。
有り得すぎる。
心なしか上機嫌に見える運転席のローの横顔が、鬼に見えた。