Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
エースとローの言い争いが収まらない中、コラソンがナツに話しかけてきた。
「あんな感じなんだけど、よろしく頼むな。悪い奴じゃないのはおれが保障するから。ま、見てわかる通り偶に暴走するけど」
「ははは、それは私も思います。でも……」
ナツはどこか遠い目をしながら今度は某有名焼き肉店の優待券を手にエースを釣ろうとするローを見て、すぐに視線をコラソンに戻した。
「彼が信用できるのを、私はよく知っています。だから安心してください」
ナツはニコリと笑って、コラソンを見た。
その笑みを見て少し驚いた表情を浮かべたコラソンだが、すぐに嬉しそうに笑ってくれた。
コラソンに前世の記憶はない。
だけど、ローとナツが目には見えない深い繋がりで結ばれていることを、何となく感じることができた。
「不甲斐ない息子だけど、どうか面倒みてやってくれな」
「どうでしょう。寧ろ私が面倒見てもらう方かもしれませんよ?」
不敵な笑みを浮かべるナツ。
ここ最近、本気でナツの体調管理を始めたロー。
正式に付き合い始めた翌日にプレゼントだと贈られた時計。
防水だからお風呂でも寝るときでも付けておけと言われたことを不審には思っていたが
それに、脈拍と歩数を測定する機能が付いておりこっそりデータを取られていたことを先日知った。
たまに院長室から遠い場所に届け物を頼まれるのは運動量の確保で
アロマなんて焚き出して紅茶(無糖)を入れてくれたり、肩なんて揉み出したりしたのは、私の脈拍計が示す数値でリラックスしている時間が少なかったかららしい。
別に嫌ではないのだが、彼は暇なのだろうか。
ナツは思わずそう思った。
「あぁ、そうだ。よかったらこれ2人で行っておいで」
ナツが物思いに耽っていると、コラソンから2枚のチケットを渡された。
某有名な温泉地の老舗高級旅館の招待券。
貰っていいのか迷ったものの、是非使ってくれと言われたのでありがたく頂くことにした。
ローは分からないが、私は温泉は嫌いじゃないので楽しみだ。
ナツはローの予定を確認し、何時一緒に行こうか考えを巡らせていた。