Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第2章 急展開
「……あれ?」
視界に広がる見慣れない天井。
暫く茫然とその天井を見ていたが
軋むような全身の痛みが、先日起きた出来事を唐突に思い出させ慌てて起き上がる。
「……手当されてる」
ナツは綺麗に包帯の巻かれた手を見下ろした。
そして辺りを見渡し、漸くこの場所がどこかを理解する。
(……よし、戻ろう)
ベットから立ち上がると、ソファーに置かれていた荷物を持って部屋から出た。
何を隠そうここはTrafalgar医院の特別室。
常に邪な思惑で入院してくる健康優良児で満室のこの部屋にナツが入ったことなどある筈もなく
気づくのに時間がかかったものの、窓から見える景色は見なれた職場の物だった。
このままここで看病されるなんて恐ろしすぎる。
日頃看護師達から受ける暴挙の数々を思い出し、ナツは身体を震わせた。
きっと親切な人がこの病院に運んでくれたんだろうけど、生憎ここは私にとって地獄過ぎる。
どのくらい眠っていたかは分からないが、私が運ばれた時点で看護師達にもその事実は知れ渡っている筈だ。
私がいなくなったところで
その弊害は新しいパターンを試せずに看護師達が落ち込むくらいだろう。
よし。それお蔵入り決定。
一生試すな。
廊下には幸い誰もいない。
時間帯的に早朝なので、当然なのかもしれない。
ナツはこのまま出勤する事を決め、受付へと向かった。
強盗に襲われて意識不明で病院に担ぎ込まれたにも関わらず、次の日に出勤するこの社畜根性。
そういえば台風の日もちゃんと出勤してたな。
偉いな私。
皆勤賞~ブラック企業ダービー~
全国のドM社蓄の祭典!狙うは労災&民事訴訟!
もぎ取れ!てっぺんと慰謝料!!
とかあったら優勝を狙えるかもしれない。
ナツは過去に自分が受けた数々の仕打ちを振り返って苦笑すると、今日も一日頑張ろうと気を引き締めた。
現時点でも入賞は確実だ。
普通じゃなさすぎるブラック具合だから、審査員特別賞とか貰えるかも知れない。
受賞スピーチで話す確実にウケが狙えるイビりネタはないものかと、ナツはこの時少しだけ
看護師達の今後の暴挙に期待してしまった。