Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
「こ、この度は娘を貰って頂きありがとうございました!!」
いきなり土下座をし始めた父に、度肝を抜かれた。
ちょっと待て。お前がすることはそれじゃない。
ナツは思わず内心でそう突っ込んだ。
そのイベントをしたいなら、一般的にはその役目は向こう側の人間がするものだ。
いや向こう側の人間はコラサンになるから、向こう側の右に座る人間がすることだろう。
死んでもしないと思うけど。
そしてお前の役目はどちらかといえば、ちゃぶ台返しだ。
謎の土下座劇に、案の定コラサンが父の頭を上げさせようと声をかけてくれている。
この場にまともな人が1人でもいて助かった。
「やめてください。頭を下げるのはこちらの方です。寧ろこんな息子を、こんな素敵なお嬢さんが貰ってくれてありがとうございます」
「い、いえいえそんな。それはこちらも同じことを思ってまして…」
「あの医院の制度は……ご存知ですよね?お義父さんも色々心配でしょうに」
「いや、私は娘が決めたことには特に反対しません。…確かに、複数の女性と関係を持っているというのは少し思うところはありますが…」
おい。
私が仕事辞めようとした時、おまえ思いっきり反対してたよな。
ナツは父を睨みつけた。
「今はもう看護師達もそれ以外も、他の女に手ぇ出してねぇよ。中に出すのもナツだけだ」
ちょっと待て。
いきなり口を開いたかと思えば、どんな破壊力の爆弾を投下してるんだ。
ほらみろ、折角和み始めた空気が凍結し始めたじゃないか。
ナツは今度はローを睨みつけ、黙れと訴えた。
「…素晴らしい!!」
ナツとローが無言で睨みあっていると、隣の父から歓声が上がった。
もう突っ込み切れない。
取り合えず横から脇腹を一発殴って黙らせる。
素晴らしいってなんだ。言いたいことは分かるが、頼むからお前も黙ってろ。
そんな3人の様子を、コラサンだけが苦笑を浮かべながら見ていた。