Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
〜親の顔合わせ編〜
過去の記憶を思い出して、長い月日を越えてまた巡り会えた奇跡に喜び、
ただ好きになった人が前世の恋人であったことに
運命を感じる私の気持ちと
納得している前世の私の気持ち。
ローと何だかんだで結ばれて、数ヶ月が経った。
喧嘩をすることもあるけど、相も変わらず仲良くやっている。
ナツも看護師長(無資格)として、そこそこ役に立ちつつ忙しくも充実した日々を送っていた。
そんな何の変哲もない日常が過ぎて行く中で、奇妙なことが起きようとしている。
奇妙と言っても、つまりはあれだ。
ナツとローは一応将来を誓い合った仲。
となると、親の顔合わせというイベントがある。
海賊時代はお互いに紹介し合える親は居なかった。
でもこの時代ではそうもいかない。
一般的にある程度年齢も二十歳を越え、職に就き、恋人との将来を考えると、そこに現れる結婚の前に立ち塞がる数々の関門。
ただ、ナツもローもその辺を特に何も考えていなかった。
適当さと、そんなややこしい儀礼を踏まなくても変わらない絆で結ばれていることへの信頼が相まって、気にもしなかった。
ナツの父が、余計なお節介とばかりに顔合わせを提案してきたのだった。
そう、あの父が。
そして顔合わせの場所として用意された、料亭。
父が仕事の接待で一番気合いが入った時に使うらしいその店の座敷に今、4人は向き合っている。
ローは断りもしなければ、一般的な初顔合わせ風な彼氏といった様子もなく、普段通りだ。
そして薄々感じていたのだが、ローの養父であるコラサン。
まさかの脱獄仲間が彼氏のお父様。偶然って凄い。
ナツは色々突っ込みたいことがあったが、取り合えずこの重苦しい空気をどうしたものか頭を悩ませていた。
軽く挨拶は交わしたものの、その後に続く会話がない。
ローは……除外だ。話し出す気がしない。
コラサンは、私と同じく様子を伺っているようだ。
父は、さっきからずっと落ち着きなく視線を彷徨わせている。
頼むからお前はじっとしてろと言いたい。
食事会を提案した張本人ではあるが、仕切らせてまともなことになる気がまるでしない。
そんな父の様子に、ナツはそっとため息を吐いていた。