Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第10章 シュライヤ
その後は連絡先を交換して、ナツはシュライヤに実家まで送ってもらった。
そこまで離れてないといっても40分くらいはかかるので、最初は電車で帰ると断ったのだが、付き合えることになったんだから、もう少し一緒にいさせろと言われれば断る理由はなかった。
そして車の中で色々話している内に、名前は呼び捨てで呼ぶこと、お互い時間が合えば会う事等、色々今後のことが決まっていった。
やっぱり彼のとの会話は楽しい。
だからあっという間に実家までついてしまった。
少しだけ名残惜しいが、彼も明日は普通に仕事がある。
寧ろここまで送ってくれただけでありがたすぎるくらいだ。
次に会えるのは何時になるだろうか。
忙しい彼のことだから、きっとすぐには無理だろう。
その事実が、少しだけ寂しかった。
そしてナツのそんな表情に気づいたのか、シュライヤは彼女の頭を優しく撫でて可能な限り連絡をすると言ってくれた。
「…ナツ」
シュライヤは髪を撫でていた手でナツを引き寄せると、そっと口づけた。
「…今日はありがとうな。また連絡する」
彼はそう言うとナツを解放した。
本当に触れるだけの優しいキス。
一瞬で終わってしまったけど、ナツを動揺させるには十分だった。
ナツは挙動不審になりながらも、ブレスレット等のお礼を伝え彼の車から降りた。
そして手を振り彼が去っていくのを見送る。
彼も手を振り返してくれて、どこか甘酸っぱいような気持になった。
寧ろなんかもう色々恥ずかしくて、死にそうだった。
これから私は、シュライヤと付き合うことになったんだ。
未だに湧かないその実感を、ナツは玄関先で何時までもぼんやりと考え込んでいた。