Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第10章 シュライヤ
そして全ての荷物は運び終わってしまった。
元々シュライヤが今回手伝ったのは、ナツをよく思ってない人がこの寮にいるので、それを少し心配したためだ。
そんな彼の思いにはもちろんナツは気づかない。
あっという間に終わってしまった引っ越し作業に、かなり戸惑っている様子だった。
「シュ、シュライヤ先生」
そして暫く唖然としていたナツだったが、何やら神妙な顔つきで話し掛けてきた。
「シュライヤ先生には、今回だけではなく前回も何度か助けて頂きました。だから、何か私に出来ることはないでしょうか?」
ナツの言葉に視線を向けると、何とも真剣な表情をしている彼女と目が合った。
このまま何もせずに帰るわけにはいかない。
そう、彼女の目線が訴えていた。
もちろんシュライヤはそんな事気にするなと即答しようとしたのだが、少しだけ考え込んだ。
「…お前、この後暇か?」
そして沈黙が流れること少し、シュライヤが口を開いた。
「はい、今日から晴れてニートなので時間は有り余っています」
堂々とニート宣言する彼女に、シュライヤは思わず笑みを零すと、少しだけ彼女に付き合って貰うことにした。
「今日俺がオフなのは知ってるよな?少しだけ付き合って貰いたい場所があるんだ」
「…ん?ついて行くだけでいいんですか?」
シュライヤの言葉に首を傾げるナツ。
だが、本当についてきてくれるだけでいいようなので、彼女は素直に従うことにした。
何をしに行くかは分からないが、それが彼の為になるなら何でもよかった。
ナツが了承すると、シュライヤは少しだけ嬉しそうに笑っていた。
それを、どこか興味深そうにナツは見ていた。