Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第9章 ペンギン
「そうでした。ご希望のプレイ内容あるんだっけ」
「…普通でお願いします」
寝室にたどり着くと、ベッドの中央にナツを押し倒した。
妙に緊張しているらしいナツの肩の力でも抜いてやろうと、冗談を交えながら
目の前の愛しい女を覆う服を脱がせていく。
時折わざと触れた手に、いちいちびくりと反応するナツが可愛らしくもあるものの、声まで漏れるその様子には驚きが勝る。
「え、これで感じんの。俺としては嬉しいけど、そんなんでこの先大丈夫かよ」
慌てて口を強く結んだナツの今後が、本気で少し心配になった。
無意識だったらしいあの声も、それを指摘されたくらいで赤くなるこの頬も
これは苛めがいがありそうだ。
「我慢しないでよ。ナツの声、聞きたいし」
我ながら、人の悪い笑みを浮かべているんだろうなと思う。
もっと声が聞きたくなって、上着をはだけさせたその首筋に吸い付いた。
「…はっ……んぁ…」
舐めるように舌を這わせては、少し強めに吸いあげる。
身体を震わせながら刺激に耐えるその様子も、時折漏れるその声も、自分の芯に熱を滾らせるには十分だった。
「…いっ…!?」
次第に緊張も解け始めたのか、ナツが身を委ねてくれるようになると、ふと頭を過ったいたずら心が、白い肌に歯を立てた。
本気で痛かったのか、非難するような目で睨まれたことにごめんごめんと謝る。
噛んだ場所に舌を這わせ、強く吸い上げて跡を残した。
ナツの身体に映えるその赤。
いつかリデルに呼び出されたナツの身体には、おびただしい量の情事の跡が残っていた。
今は消えたそれが、なぜか今鮮明に思い出されることが恨めしい。
今さらながら、嫉妬心に淡い炎が宿るのを感じた。
あの院長が、だもんな。
淡泊すぎるあの男が、女に跡を残さないのは有名な話だ。
それだけでもちりちりと胸が焼けるような思いが競りあがってくるというのに
「んっ……やぁっ……」
いつか電話ごしに聞かされた声までもが思い出される始末。
その苛立ちを飲み込んで、ナツの身体に唇を這わせた。
跡も、声も、新しいものに塗り替えるように。
あの男の執着心を、消し去るように。