Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第9章 ペンギン
「じゃあよろしく、医局長」
「ああ、任せろ」
「行ってきまーす!」
土曜の朝、目が覚めるとナツはもう出掛ける準備をしていて。
流石に早すぎだろうと突っ込みを入れた。
外に出るのがそんなに楽しみか。
やっぱ俺が連れてけば良かった。
一緒に朝食を食べている間も、どこかそわそわとした様子で
楽しそうなナツの顔を見るのは久しぶりだと思った。
超ミラクルスーパー安全牌なシュライヤ医局長にナツを預けると
気だるげな足取りで職場へと向かう。
正直、休みの日にまで職場には行きたくない。
でもことがことだ。
院長室の扉も、そこから看護師長の社宅へと続く扉も
針金とピックで簡単に開いた。
電子キーとかじゃなくて良かった。マジで。
段ボールに詰められた荷物の量は結構大量で
備品倉庫から持ってきた台車でそれを運ぶのに何往復したことか。
Trafalgar医院の駐車場とマンションの駐車場も何往復したことか。
でもこれで、院長がナツを縛る鎖は1つ減った。
全ての荷物を運び終えると、流石に疲労を感じる体を奮い立たせ再び車に乗り込んだ。
好きな女の喜ぶ顔が、男は一番好きだから。
どんなリアクションを見せてくれるのか。
早く帰って来ねぇかな。
医局長を付けたとは言え、全く危険がない訳ではない。
自分はこんなに心配性だったかと、らしくない思考が笑えた。