Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
ナツが目を覚ますと、そこはベットの上だった。
ぼんやりとする頭で部屋を見渡すと、今の時刻が夕方なのが分かった。
解放されたのが朝方だった筈だから、そのくらい寝ていてもおかしくないだろう。
ナツは軋む体に鞭を打ち起き上がると、取り合えず喉が渇いたので寝室を出た。
衣服が見当たらなかったので適当にシーツを羽織って、リビングへ向かう。
そこではローがソファーに座り本を読んでいた。
ナツの姿に気付いたローは、隣に来いと促す。
大人しく彼の隣に座ると、彼はコップにお茶を持ってきてくれた。
それを受け取り喉を潤すと、漸く一息つけた気がした。
「……悪かった」
ジト目で睨んで来るナツの視線に気付いたのか、ばつが悪そうに謝るロー。
彼はそのまま、ナツの目の前に食事とデザートを並べ出した。
不機嫌そうな表情は一変し、どれから食べようかと目を輝かせるナツ。
こんなもので機嫌が直るなら、何とも安いものだ。
ローはそんな彼女の様子を、呆れた表情で見守っていた。
ナツが食べ物に目がないことを知っていてこれをやるローも、中々にいい性格をしていると言えるだろう。
「って、そうだ!言いたいことがあったんですが!」
ナツは目の前に用意されたオムライスを頬張りながら、夢の中で思い出したことを彼に伝えた。
「置いて行ったって何度も言ってましたけど、私死んでないよね?奇跡的に生き返ったじゃん」
血塗られたナツは確かに一度、フレバンスの丘の上で死んだ。
その遺体を抱えてローが海に身投げしたのも事実だ。
しかしその後、2人は仲間によって海から引きあげられた。
ナツは元々持っていた能力のおかげなのか、腕に付けていた奇跡を呼ぶと言われているブレスレットのおかげかは不明だが
陸へと引き上げられた彼女は、息を吹き返していた。
あの出来事を根に持つのも分かるが、あからさまに死んだように責められるのは解せない。
ナツはジッとローの顔を見つめ、答えを待っていた。