Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「待たせてごめんね。……また私を見つけてくれて、選んでくれて、ありがとう」
ナツはローを引き寄せると、そっと口づけた。
ローは未だに力なく立ち尽くしており、動く気配はない。
そんな彼に苦笑いすると、そっと唇を離した。
「…っふ!?」
触れていた唇を離そうとした瞬間、ローの手がナツの後頭部へ回され再び2つの影は重なった。
口内へ差し込まれた舌が、荒々しくナツの舌を吸い上げる。
激しすぎるその口づけに、ナツは思わず彼の胸を叩いた。
「…んん!…っふぁ…!」
絡みあう舌は卑猥な音を立て、ナツの唇から銀色の糸が流れ落ちる。
すっかり上がってしまっている息と、頬を上気させたナツの顔。
じっと見つめてくるローの視線に耐えかねて、ナツはギュッと目を閉じた。
「…っはぁ…」
そして漸く解放された彼女は、ぐったりとローに身体を預けるようにもたれかかった。
彼女を抱きとめているローがどんな表情をしているのか、ナツからは見えない。
なんとか呼吸を整えローから離れようとするが
腰に回されたその手は、離れるつもりがないようだ。
「……おせぇよ」
ナツがどうしようかと考えを巡らせていると、頭上から降ってくる不機嫌そうな彼の言葉。
そんな彼へと視線を合わせると
交わった瞳には、まだ僅かに残る困惑と混乱、そして愛情や激情、色々なものが交じり合っているように見えた。
「いや、私も好きで思い出せなかったわけでは…」
ナツは何となく身に覚えのある危機感に、じりじりと彼から距離を取ろうとしていた。