Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「いやそんな、気を遣わないで……」
「おい。なんで断ろうとしてんだよ」
やんわりとその申し出を断ろうとすると、ローから思いっきり睨まれた。
いやだから、怖いって。
ナツは苦笑すると、どうやら拒否権はないようなので行きたい場所を考えた。
「…海」
ナツの言葉に、ローの肩が僅かに揺れる。
そうだ、最後の記念じゃないけど海へ行きたい。
夢の中の彼女の言葉を信じて。
きっとそこで、分かることもあるかもしれない。
どうせ別れるとしても、すっきりしてた気持ちで彼に別れを告げたい。
「こんな真冬に海なんて行って、どうすんだよ」
ローはナツの提案をあまりお気に召さなかったようだ。
しかし、他に行きたい場所も思いつかなかったので彼女も引かない。
そんな様子の彼女にローが折れるまで、そう時間は掛からなかった。
ローはため息を吐くと窓から外の雪景色を見ていた。
記憶が蘇ってから、雪も海も、嫌いになった。
だが、ナツが行きたいと言うなら仕方ない。
「真冬の海はかなり冷える。行くなら寒くねぇ恰好をちゃんとしろ」
ローはそれだけを伝えると、部屋を出て行った。
どうやらこの後、重要なオペが控えているらしい。
ナツはそんな彼を見送ると、再び横になった。
そして目を閉じて眠りに入る。
毎日寝すぎて寝れないくらいだ。
でと何となく、携帯ゲームをする気にもなれない。
やっぱり、寝るしかない。
そう言えば
最近あの夢を、見なくなったような気がした。