Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
ナツが目を覚まして更にひと月が経ち、季節は冬になった。
ナツの体調もだいぶ回復しており、そろそろ退院してもいいと話が出始めていた頃だ。
あれからローは、何かとナツの世話をしにこの部屋を訪れている。
彼も忙しいはずなのに、ナツの検査や身の回りの世話などはほとんど彼が行っていた。
もしかすると、
ナツが怪我をしたのは自分のせいだとまだ気にしてるのかと思い、ある時彼にそれを聞いてみた。
そしたら彼は、それもそうだがそれだけじゃねぇと
微妙に怒った顔をした。
ローが自分を責めているのであれば、それは勘違いだと伝えようとしただけなのに。
怒られるとは。解せん。
私たちはまだ恋人という関係なのか、ローが私のことをどう思っているのかどうかは、まだ聞けていない。
正直、聞いてしまうのが怖い。
今年は雪が多いらしく窓から見える景色は、すっかり雪で埋め尽くされていた。
今日も今日とてローは、ナツの検査を行いながら相変わらず難しい表情をしている。
そろそろ、潮時だろうか。
退院した後は、今度こそ実家に帰ろうか。
ナツがぼんやりとそんなことを考えてると、検査が終わったのかローが口を開いた。
「今度の休み、行きてぇ場所はあるか」
突然言われたその言葉に、ナツは目を丸くした。
今度の休みとはすなわち、退院の日。
もしかしてずっと引きこもり生活を送っていた私に気を遣って、気晴らしにどこかへ連れて行ってくれるのだろうか。