Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
次の日の朝ナツが目を覚ますと、昨日と同じ白い天井と、今度は起きているローの姿が見えた。
「!?ナツっ!」
慌てて駆け寄ってくる彼の表情には、普段見せている余裕の欠片も見当たらない。
「…す…みま…せん」
掠れて上手く発声できない声で、取り合えず謝罪の言葉を述べる。
寝顔もやつれていたようには見えたが
この様子では、だいぶ心配をかけてしまったようだ。
ローの話を静かに聞いているナツ。
どうやら自分は一か月程眠りに付いていたようだ。
目を覚ましたことに心から安堵した表情を見せるロー。
そんな彼の表情を見ていると、勘違いしてしまいそうになる。
ナツはそっと目を伏せた。
「取り合えずしばらく安静にしてろ。心臓の真下を撃たれて、死にかけてた」
ローが行った手術の内容と、それを助けてくれたらしいリデルの話を、ナツはぼんやりと聞いていた。
やっぱりローの医者の腕は凄かった。
きっと、彼が助けてくれなければ
私は死んでいただろう。
そしてナツが誘拐された原因を調べたらしいローが言うには、どうもエミリアが関係していたらしい。
ドフラミンゴの手先であったらしい彼女。
ローの虜になって彼に従っていただけあって、やはりナツの存在が許せなかったのだろう。
そんな彼女を消すために、水面下で依頼されていた人身売買の計画。
きっとあのままあそこにいたら、ナツは異国へ売り飛ばされていたことだろう。
「今回お前が巻き込まれたのはおれの責任だ。……悪かった」
本当に申し訳なさそうに頭を下げるローに、ナツはゆっくりと首を横に振った。
エミリアはローに追い出され、ここにはもういないようだ。
それに、何だかんだでローは助けに来てくれて命まで救ってくれた。
それだけで、十分だった。