Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「…っ」
ナツが目を覚ますと、白い天井が見えた。
たくさんの管に繋がれている己の身体。
そして感じる鈍い痛みと、手に感じる暖かいぬくもり。
ゆっくりと視線を動かすと、そこには愛しい人の姿があった。
ナツの手を握ったまま、辛そうな表情で眠るロー。
ありがとう…
ナツはゆっくりとその手を握り返した。
先ほどの夢の内容は覚えている。
ローの全てを知ったとしても、彼の心に居座る思い人が誰であろうとも
私がローを好きになった事実は変わらない。
だけどこの思いは伝えず、そっと胸に仕舞うことにしよう。
「…ロー、大好き…だよ……」
掠れた声で眠っている彼に伝えた言葉。
きっとこれは、最初で最後の言葉だ。
もしいつの日か
彼が私自身を見てくれて、愛してくれる日が来るのなら
その時にもう一度、この思いを伝えようか。
そんな日は来ないかもしれないが。
ナツは自嘲気味に笑うと、再び目を閉じた。
ボロボロのこの身体には、まだ休息が必要なようだ。