Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「なんて、……言うと思ったか?」
バンッ!!
ドフラミンゴの手に握られているのは先ほど弾き飛ばされた物とは違う銃。
懐にもう一丁、隠し持っていたようだ。
彼の銃口の先は、ローに向いていた。
「…~~ッ!!」
ナツは銃声が響く少し前、何やら不穏な雰囲気を察知してドフラミンゴとローを結ぶ対角線上へと駆け出していた。
最早無意識の行動。
ドフラミンゴの横を通り過ぎた時に感じた違和感。
野生並みの本能が、考えるよりも先に彼女を動かしていた。
コラソンを支えながら出口へと歩くローを庇うように立ちふさがったナツの胸に、鉛弾はめりこみ
彼女の手に抱えられていたライフルは音を立てて地面へと落ちた。
「はっはっはっ!その動き、ますます気に入った」
「ドフラミンゴ!!!貴様ぁぁぁ!!」
ローがドフラミンゴへと飛びかかろうとするのを、ナツの手が止める。
カチャカチャと更に引き金を引く音を立てる彼の銃は丁度球切れなのか、追撃はないようだ。
怪我を負っているコラソンに気を取られ、反応が遅れてしまった。
撃たれた箇所から止めどなく流れる血液は、彼女の服を赤黒く染め上げている。
「あはは……、痛いわー」
患部を押さえそう呟くナツの姿に、
ローは視界全体が赤く染まる感覚に陥った。
「もし次会った時その女が生きていたら、その時は遠慮なく勧誘させてもらうとしよう」
ドフラミンゴはそう言うと、踵を返しその場を立ち去った。
「待て!!殺し…」
「ロー!!そんなこと言ってる場合か!!彼女の処置が先だ!急がないとやばいぞ!!!」
コラソンの言葉に我に返ったローが振り返ると
そこには血まみれのナツを抱えているコラソンの姿。
「…ナツっ…!」
ローはナツの服を乱暴に間繰り上げ撃たれた箇所を確認する。
心臓近く、僅かに個体差のある人体の作りを考慮しても
ナツの胸元の銃跡は心臓を貫いていてもおかしくはない位置についていた。
ローは全身から血の気が引くのを感じた。