Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
ナツと一緒に逃走を謀っているこの男、名をコラソンと言う。
彼こそが、ローの義父であり、ドフラミンゴの実の弟である。
しかしナツはまだ、そのことを知らない。
迷うことなく出口へ向かっている様子のコラソンを不思議に思いながらも、ナツは彼の後に着いていった。
途中見張り役が何人かいたものの、それはそれはあっさりとナツに仕留められていく。
コラソンはその光景を驚いた表情で見ていた。
「さっきから驚かされてばかりだ。君は一体何者なんだ?」
そう言いいながらナツの隣を出口へ向かって走ってるコラソンは、何もしてないのにダメージを負っている。
牢を出る前、コラソンは一服させてくれと呑気な事を言いだした。
仕方ないかと、怪訝な表情を浮かべつつもそれを許可する。
すると何故か、ライターの火が彼の服に引火した。
折角穏便に脱出しようとしていたのに、二人の騒ぐ声は牢の中で響き渡っていた。
奇跡的に誰も駆けつけてこなかったものの、スタート地点でこれでは先が思いやられる。
なるほど。
ナツは服の燃えカスをへらへらと笑いながら払い落とすコラソンを見つめながら
うっかり秘文書の燃やす方法が何となく分かった気がすると、一人頷き納得していた。
「ちょっと、父の影響で武術が得意なんです」
「格闘家なのか!おれはサポート系だから助かるよ」
「サポートって何ですか白魔道士ですか?どう見ても属性が火の黒魔道士ですよね?しかも自滅スキル持ちの」
ナツの言葉に、コラソンから笑い声が上がる。
「おれはドジっ子なんだ。その部分もステータスに付け加えといてくれ」
ナツの方へ顔を向け、笑みを浮かべるコラソン。
その笑顔は、
目の前の壁に気づかず激突した。
「何で自ら負のステータスを増やそうとしてるんですか」
ナツは呆れた表情でコラソンに手を差し伸べる。
ありがとうとその手を取る彼を立ち上がらせ、先を急いだ。
憎めない人だなと、ナツは少し前を走るコラソンの背中を
穏やかな目で見つめていた。