Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
その後も何だかんだで騒ぎながら出口へ向かってると、コラソンが珍しく真剣な表情を浮かべた。
ナツはそんな彼を不思議そうに見ていると、彼に手を引かれるまま身を隠す。
何やら考え込んでいる彼の視線の先には、派手なピンク色のモフモフを羽織っている男と、その周りを取り囲むように銃を構えて立つ複数の男達。
あの男がドフラミンゴだとコラソンに教えてもらうと、ナツは驚いて目を見張った。
装備も回復(コラソンのみ)も整えてないのに、まさかのラスボス登場。
しかもこっちの戦力はナツ一人だけだ。
いくら武術に長けてると言っても、銃相手に突っ込めば素敵な蜂の巣の出来上がり。
ナツはこの状況をどう打破しようかと、コラソンと共に頭を悩ませていた。
「おれが奴を引き付ける。その間に、お前だけでも逃げるんだ」
「何ですかそのベタな死亡フラグ。止めてくださいよ」
数分考えた末にコラソンの口から告げられたその提案を、ナツは即却下した。
寧ろそれをするならば、囮役はまだ戦えるナツの方が適任だ。
しかしその意見は、女の子にそんなことさせられるわけないだろう、馬鹿と怒られ却下されてしまう。
意外とこのドジっ子は紳士らしい。
「このままここで2人共捕まるより、お前だけでも外に出ろ。そして助けでも何でも呼んで来てくれればいい」
中々引かないコラソンに、ナツは迷うように瞳を揺らした。
確かに外へ出る為にはその通路を塞ぐドフラミンゴ達をどうにかしなければならない。
きっと私たちを捕まえる為に待ち構えているだろう彼らをあの場から動かすには、どちらかがその注意を引き付けなければならない。
「おれはあいつと血を分けた兄弟なんだ。そりゃブチ切れられるだろうが、殺されやしねぇよ」
コラソンのその言葉に、ナツは不満げな表情のままゆっくりと頷いた。
確かに、兄弟相手ならぶち切れて済むかもしれない。
でもあのマフィアは、とても私相手にそれで済ませてくれるつもりはないように思える。
最悪コラソンが捕まったとしても、生きててさえくれれば救い出せる。
コラソンはナツの頭をそっと撫でると、通路を塞ぐ彼らの前に姿を現した。