Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「別に変わりはねぇよ」
不機嫌さを隠しもせずに、そう伝えた。
最後に会ったのは一か月前だが、話す程の変化など特にない。
そんなローの言葉に、ドフラミンゴは不気味に笑うだけだった。
「そういえば看護師長を変えたらしいな?エミリアが看護師長になってここ数年変えてなかったのに、どういう心境の変化だ?」
ドフラミンゴの言葉に、ローは一瞬言葉に詰まった。
エミリアはドフラミンゴの紹介で医院へ来た女だ。
その存在は目障りではあるものの、無下にもできない。
どうせあっちのスパイを潜伏させなければならないのならば、こちらとてそれは利用させて貰う。
エミリアの腹の中までは分からない。
だがドフラミンゴの情報も引き出す事が出来、こちらの都合の良いように情報操作もできていた。
筒抜けと分かっているのであれば、流す情報をすり替えれば良いだけだ。
「特に意味はねぇよ。いい加減、飽きただけだ」
遅かれ早かれ、この話は聞かれるとは思っていた。
しかし実際、Trafalgar医院の看護師長が誰であろうと
ファミリーにもドフラミンゴにも何の関わりも影響もないはずだ。
だからこそ、堂々とナツを看護師長という立場に置いた。
「ふっふっふ、モテる男は違うねぇ」
案の定、ドフラミンゴがそれに意見してくる様子もない。
その事実に安堵したローは、これ以上話はないとばかりに電話を切った。
「……はぁ」
ドサリとソファーに腰を降ろす。
何を考えてるか分からないあの男との会話は正直、疲れる。
ふと窓から外を見ると、すっかり暗くなっていた。
……ナツはどうしてるだろうか。
最近、気持ちの整理が中々追い付かない。
この状態でナツと会っていて良いのか、ふと疑問に思う事がある。
それでも
やはり会わないと落ち着かない。
仕事の合間を縫って、会える時間は無理矢理でも作っていた。
(取り合えずは明日だな…)
ローは再びため息を吐くと、明日のパーティーを思い頭を悩ませていた。