Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
パーティーの前日、ローの携帯が着信を知らせる電子音を響かせる。
ローは表示された名前を眉間のシワを増やし睨みつけると、ゆっくりと通話ボタンを押した。
「…何の用だ」
ローの低い声が院長室に響き渡る。
その声に反応するように、笑い声が電話から漏れてきた。
「相変わらずだな、ロー。せっかく明日、叔父である俺が盛大に祝ってやろうとしてるのに。イイ話だ、期待しておけよ」
ドフラミンゴの話すその声は、実に愉快そうなものであった。
彼が言うイイ話とは、過去の経験上確かにこの医院にとって悪くないものばかりだった。
しかし、彼の目的が目的なだけに
頼んでもいない借りを勝手に作られるのは迷惑以外の何物でもない。
「毎回毎回、勝手なことすんじゃねぇよ」
「俺が好きでやってるんだから別にいいじゃねぇか。そう警戒するなよ」
可愛い甥っ子の為だと相変わらずニヒルな笑い声を響かせるドフラミンゴは、ローの不躾な態度を気にする様子はないようだ。
あのドンキホーテファミリーのボスに対してこんな態度をとれる人間など、彼くらいしかいないだろう。
「何度も言ってるが、俺にはこの病院がある。お前の話は受けられねぇ。他を当たってくれ」
この話は、何度言った事なのかもう分からない程に繰り返し伝えている話だ。
一向に引く気配のないこの男に、ローのため息は止まらなかった。
「まぁそれは今ここで話す必要はないだろう?明日ゆっくり話そうじゃねぇか。それよりも、コラソンはどうだ?元気にしているか?」
ローの言葉を軽くかわしたかと思えば、突然養父であるコラソンのことを聞かれた。
コラソンとはお互い医師として働いている以上、接点はそれなりにある。
養父として、家族として接すると言うよりも
仕事で接する機会の方が多い。
そもそもコラソンの近況など、兄弟なのだから自分で聞けば良いだろうに。
ローはその状況に僅かに違和感を感じとり、眉間のシワを深くした。