Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「ドフラミンゴ、ローの養父のお兄さんだよ。そしてドンキホーテファミリーのトップ。」
ほぉ。
なんかすげぇ親戚関係だな。
「院長昔から出来が良かったから。あっちとしてはファミリーに引き入れたいみたい」
ベポから聞かされた、私の知らないローの一面。
今までは養父が間に入り上手く立ち回っていたようだが、ここに来て最近
直接本人へボス自らが話を持ちかけてくる事が増えているようだ。
そして今月行われるパーティーも、恐らくそれは行われるらしい。
「バックにドフラミンゴがいるとメリットも多いんだけど、あっちもあっちで下心見え見えだからね。院長は多分、早く手を切りたいんだと思う」
「……なるほど」
ローが裏の世界へと足を踏み入れてしまえば、
多くの命を救える彼の手は、それを奪うモノへと変わってしまう。
救えなかった命の話をしてくれた彼は、悲しい目をしていた。
きっと彼も、そんなことは望んでいない。
裏の世界なんて全く関わりもないナツですらその名前を聞いたことがあるほど、ドフラミンゴの権力は大きい。
下手に逆らって彼の機嫌を損なうことになれば、本当に洒落にならない展開が待ち受けているのだろう。
面倒であったとしても、
このまま事を荒立てずに、のらりくらりとかわし続けることは可能なのだろうか。
ローが抱えていた深刻な問題を知ったナツは、複雑な表情をしていた。
出来ることなら、何か役に立ちたい。
だがしかし、あのローですらどうにも出来ない事を、私なんかがどうにか出来る気がしない。
何となく、ローはドフラミンゴのことを私には話してくれないような気がした。
信頼してるしてないとか、これはきっとそういう問題じゃないんだと思う。
でも少しだけ、その事実が寂しかった。
「ナツ。分かってると思うけど、本気でヤバい人達だから。下手に関わらないこと!」
ぼんやりと考え事をしていると、ベポに釘を刺された。
ナツはそれに、曖昧に笑って答えた。