Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
夕方になり日も落ちたところで、2人は食事へと出かけることにした。
医院の駐車場へ停められていた彼の車に乗せられ、夜の街並みを走る。
何処からどう見ても高級車な気がしてならないこの車。
ナツは汚してしまわないかとソワソワしていた。
取り合えず外車なんだろう。
ハンドルの位置がそれを物語っている。
いくらするんだ?これ。
因みにこの話題の延長線で、彼はプライベートジェットやフェリーも持っている事が判明した。
しかも両方とも免許持ち。
まじやべぇよおい。
住んでる世界が違い過ぎる。
最早感心を通り越し、ナツは顔を引きつらせることしか出来なかった。
車を走らせること数十分。
到着したのはお洒落なブディック。
「取り合えずその恰好、どうにかしろ」
ローの言葉と共に店員へ引き渡されたナツ。
今彼女が着ているのは、変な文字の書かれたTシャツにズボン。
ちょっと近くのコンビニまで!スタイルだ。
ナツはてっきりいつもの馴染みの店に行くと思っていたのだが
移動手段が車であることを考えても、それは違うようだ。
あそこならこの格好で行っても良いと思ったのに。
言い訳でもしようと振り返ったものの、院長はブティック内の個室に通されようとしており
それを伝える事は叶わなかった。
「色やデザインはどういったものがお好みですか?」
綺麗な店員のお姉さんにそう笑顔で問いかけられたものの、
こんな格好してる奴の好みを聞いてどうする。
ナツは乾いた笑みを浮かべながら、お任せしますとだけ答えた。
彼女はかしこまりましたと微笑むと、店内から何着かの候補を持ってきて、ナツを試着室へと突っ込んだ。
少し郊外だからだろうか。
試着室がとんでもなく広い。
駆け出しの芸人の部屋とか、これより狭いんじゃないだろうか。