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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第8章 ロー



「……遅くなるとキレられる!!」


なんと言うことだ。
こんな災難に遭っているというのに

私にはそれに浸る時間も与えられないのか!


適当に着替えを済ませ再び院長室へ戻ると、書類に目を通していたらしい院長が静かにこちらに視線を寄越した。

どうやらまだお怒りになってはいないらしい。


「まだ早ぇな。少し休んでろ」






先に言えよ。
部屋で休んでたのに!

かと言って今更部屋に引き返せば今度こそキレられそうだ。


確かに、日が傾き始めるこの空模様はまだ夕刻に差し掛かる前のそれだ。

ぼんやりと窓の外を眺めながら
再び書類に目を落とした院長を横目に、仕方なく応接セットのソファーに腰をおろそうとする。




しかし視線の丁度先にあるベッドに目がとまり、ナツは中腰のまま固まった。




「……何もしねぇよ。今日はな」


そんなナツのへっぴり腰での空気椅子に気づいた院長は
軽く鼻で息を吐きながら、そう口にした。


最後の言葉はいらなかったような気がするが。




「いいから座ってろ」


軽く睨むような視線を飛ばされ、それにじと目で応えつつも今度こそソファーに腰をおろす。

それと同時に立ち上がったローに、ナツの肩は大袈裟な程びくりと震えた。




「……期待されてんのか?おれは」

「いぇいえ滅相もございません失礼いたしました!」



呆れたようにため息を付きながらそう言う院長に、全力の否定をお伝えするとその様子を見た彼は




ふっと笑った。

鼻で笑うように、ほんの一瞬だったけど。



見慣れてしまったあの、何かを企むような人の悪い笑みではなく
ただおかしいとでも言うような、優しい顔。


結局院長はそのまま、部屋の奥の方へ行ってしまった。







あんな顔も、するんだ。


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