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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第8章 ロー




その後もオペは進み、そろそろ終盤なのだろうか。
仮死状態になっていた心臓が再び動き出したのを見て、ほっと胸を撫で下ろした。


「心臓って……止まってもまた動くんですね」

「これはそういう風にしてるから!でも4時間とか越えちゃうと一気に色々危ないみたい!」

「へぇ……」


手術室のタイマーに目をやると、心臓が動きを止めてから3時間と40分。
手術開始からはもう5時間が経過していた。

危なかったのか、分かった上で安全圏内の時間をめいいっぱい使ってこの心臓に治療を施したのか。
よう分からんが凄いな、確かに。

素人目に見ても、動き出した心臓はメスが入る前よりも色艶が良くなって来ているし
脈打つ鼓動も前より強くしっかりしているようだ。


その後も眈々と手術を行う院長が、不覚にも格好良く見えてしまった。

この人は
あんな傍若無人な振る舞いの影で、こうやって何人もの人の命を救ってたんだ。

くたばれとか、今朝彼はそんな事を言っていたけど
そんなこと本気で思う人が、こんな複雑怪奇で神経を磨り減らすようなオペをする筈がない。


涼しい顔の中にも、真剣な眼差し称えた院長の横顔を眺めていると
いつの間にか、傷口の縫合が済んだようだった。

モニターを確認し、相変わらずの無表情でその数値に頷く院長。


どうやら終わったらしい。


ナツがほっと一息ついた所で、その休息の終了を告げる声がかかる。


「いつまでぼさっとしてんだ。行くぞ」


せめて後片付けくらいは役に立とうと思っていたのに。

その心遣いは虚しく、ナツは再びローに引き摺られるように連行されて行った。







「着替え終わったら戻って来い」


連れて来られたのは昨日引っ越して来たばかりの自室。
彼はそれだけ言うと、通路で繋がる院長室へと踵を返した。




ナツは怒涛のように過ぎていった今日一日の出来事に、暫く茫然としたまま動けないでいた。


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