Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
別々に出勤したいと意見を述べた。
でもそれは叶わなかった。
私は今
付き合いたての恋人に引き摺られながら出勤中です。
わー、今日も素敵な1日になりそう!
って
なるかっ!
やっと院長が腕を離してくれたと思ったら、到着したのは院内で一番広い会議室。
今日は月に一度の全体ミーティングが行われるらしい。
職員全員が既に揃っているそこにはペンギンやシュライヤ医局長の姿もあり、彼らは目が合うなりそれぞれが驚いた表情を浮かべていた。
こんな所で目立ちたくない。
一番後ろでこっそり参加しようと思っていたのに
院長は当然のように私の腕を掴むと、前面に設えられた壇上まで手を離すことなく歩いていく。
壇上でここに集う皆様のトップである院長の隣に立たされ、目立たないで居る方法とか
もしあるなら教えてくれ。
一斉に集まる視線に流石のナツも動揺で目が泳ぐ。
しかしローはそんなナツを気に留めるつもりなどないらしい。
重要事項の連絡と言う前置きの後に彼の口から発せられた言葉に、ナツは驚きを隠せなかった。
「今日から看護師長はこいつだ。これまで通り、上からの命令は絶対服従だ。」
「はぁ!?」
まるで大奥のような階級制度によって明確な立場が明示されている看護師達。
“上からの命令は絶対服従”
最も上の位、看護師長に任命されるという事は
今後如何なる者も、ナツに手出しすることも歯向かう事も許されない。
しれっと連絡という一言で済まされたローの言葉には、それほどの重みと意味が込められていた。
大ブーイングが起こってもおかしくないと思っていたナツの心境とは裏腹に、職員達に動揺した素振りはない。
驚いているのはナツ、ただ一人だけだった。
「ちょっ……待っ…!!」
「話は以上だ。各自持ち場に戻れ」
おいいいいい!
ナツの言葉をガン無視し、終わりを告げたミーティング。
立ち去っていく看護師達から放たれる殺気は一点に集中した。
突き刺さるような視線に耐えきれずローの傍を離れようとするナツの腰に、見せつけるように回された彼の腕。
堂々とイチャつこうとする我が道を行くローに、新看護師長(無資格)はガックリと肩を落とした。
マジでやめてくれ