Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第1章 出会い
「ナツペンギンと知り合いだったの?」
次の日出勤すると
私の顔を見るなり開口一番にベポがそう問いかけた。
一瞬誰のことか忘れかけていたが、昨日の一件を思い出し微妙な表情でそれに頷く。
もう関わることなんてないだろうと思っていたけど、まさか朝イチ速報で話題に上がってくるとは思わなかった。
「ペンギンもさ、院長と俺の友達なんだ。昨日急にナツのこと聞いてきたからびっくりした」
なんと。ベポに引き続きペンギンも院長の友達だったとは。
意外とあの院長は友達が多いのか?
まったく想像つかないんだが。
「さっきから顔変だけど、なんか言われたの?」
顔、変って。
とりあえず、曖昧な返事をベポに返してみる。
最近しれっと人をディスってくるベポにはなんだか
昨日の彼とのやり取りを話したくないと思った。
こういう人にネタを与えてはいけない。
院長のお友達にディスられるファクターを知らない内に兼ね備えていたらしい自分の胸元を見下ろして、そっとため息をついた。
「ペンギン、超が付くほど女好きだからね。悪い奴じゃないんだけど」
ナツの浮かない様子に、恐らく何かしら察してくれたのだろう。
エスパーもたまには役に立つじゃないか。
腹黒のベポでさえさり気なくフォローを入れると言う事は、やっぱりペンギンはそこまで悪い人ではないのかもしれない。
だがしかし、仲良くなりたいかと聞かれれば
即答で断固拒否するだろうと思う。
「ねぇベポ。もし私がバックレたらどうなるの?普通に忘れて次の人採用してくれるかな?」
これ以上彼の話を掘り下げられても反応に困る。
ナツは違う話題に振り替えた。
というかこっちの方が重要な話題だ。
「ラミアに無断で?うーん。ナツ瞬間移動できたり住民票の偽造とかって出来る?それできるならイケるかも」
「……さようですか」
つまり無理ってことね。
あれから何かと受付を訪れてはセクハラまがいな事をしてくるラミア。
女子高のノリだと納得しようとすれば出来る。
かと言って何が楽しくて公衆の面前でそのような被害に合わなければならないのか。
更に面倒なことに
ラミアがナツを気に入ってることを、良く思わない看護師もいるようだ。
ナツの悩みが尽きることはなかった。