第1章 出会い

ナツは幼い頃から、ずっと見続けてい夢がある。
その夢はとても不思議で
でもどこか、懐かしい感じがする。


夢にいつも現れる二人の女の人。


海賊で、不思議な力を使っては敵をきれいさっぱり凪ぎ払う
強いけど儚い、少しとぼけた印象を受ける女性。

赤い果実で作ったお酒を販売している、いつも笑顔でいるのに
どこか寂しげに見える商人の女性。


二人とも別人の筈なのに、なぜかその人以外のキャスティングがバッティングしてる。


白熊や

最近良く見かける
どこかの誰かさんとそっくりな、白のつなぎと帽子をかぶった男の人。

そして

とても端正な顔立ちで細身だけど筋肉質な良いカラダをお持ちの
イケメン医師。


医者とかそれだけで十分ハイスペックなのに
イケメンとか何事かと思う。


どっちの女性も
夢の中で彼の事を格好良いなって思ってるみたい。
そしてそれはまるで、自分の気持ちなんじゃないかって思うくらいにリアルに感じられる。

朝起きるといつも、医者の彼の顔は靄がかかったかのように思い出せないんだけど
きっと、トラファルガー先生よりイケメンなんじゃないかな。

物心付いた時からずっと
あの夢を通して洗脳されてる気分だ。

きっと彼は修羅場の帝王である院長先生より格好いい素敵な人の筈。

夢の中の彼女達が彼を思う気持ちは
ナース達のような邪なものじゃない。

とても純粋で、温かくて優しい、色に例えれば真っ白な気持ち。

夢の中のお医者さんは絶対に素敵な人だ。











夢の中で彼らと過ごす非日常的な毎日はとても楽しくて、新鮮だった。

夢だと分かっていっても
何度この夢を見ても

起きてしまいたくないなって思うくらいずっと




ずっと見ていたいって思うんだ。